自力で掃除するのが大変な窓やエアコン、レンジフード、天井など、家の幅広い箇所を清掃してくれる「ハウスクリーニング」。定期的に利用すれば住宅を綺麗で清潔に保てます。
今回は、そんなハウスクリーニングの相場や利用タイミングなどを詳しくご紹介します。費用の抑え方も解説していますので、ぜひチェックしてみてください。
ハウスクリーニングの相場まとめ
ハウスクリーニングの相場は、住居の環境やサイズによって変化します。汚れがひどかったり、家具家電が多く養生が必要だったりする場合などは別途料金が発生することもありますが、基本的には相場前後の価格でクリーニングを依頼できるでしょう。
戸建ての場合
戸建てのハウスクリーニングの相場は「60,000〜150,000円」前後です。広さによって値段は大きく異なるため、自宅の間取りと照らし合わせて確認してみてください。また、浴室や洗面台の数が多かったり、クローゼットが広かったりと間取りが複雑な場合は、相場以上の料金が必要になるケースもあります。
戸建ての広さ | 費用相場 |
---|---|
2LDK・3DK | 60,000〜100,000円 |
3LDK・4DK | 70,000〜120,000円 |
4LDK・5DK | 80,000〜150,000円 |
マンション・アパートの場合
マンション・アパートのハウスクリーニングの相場は「15,000〜115,000円」前後です。比較的コンパクトな間取りが多く清掃しやすいマンション・アパートは、戸建てより料金設定が安く設定されていることも少なくありません。
ただし、マンション・アパートも戸建てと同じく、メゾネットタイプやウォークインクローゼット付きなどの特殊な間取りを採用している場合は、相場よりも料金が高くなります。
マンション・アパートの広さ | 相場 |
---|---|
1R・1K | 15,000〜30,000円 |
1LDK・1DK | 26,000〜40,000円 |
2LDK・3DK | 40,000〜90,000円 |
3LDK・4DK | 50,000〜100,000円 |
4LDK・5DK | 70,000〜115,000円 |
居住状況によっても相場は変動する
住居が空室である場合は、家具や家電が配置されていないため清掃作業がしやすいほか、汚さないための養生も必要ありません。このため、業者側の負担が少なく料金も安くなります。さらに、居住者がいないので作業する時間帯も比較的自由に決められます。業者側に合わせたスケジュールで清掃が行えるのも料金が安くなる理由の一つです。
部屋の大きさ | 入居中の相場 | 空室の相場 |
---|---|---|
1R・1K | 15,000〜25,000円 | 18,000〜21,000円 |
1DK・2K | 28,000〜32,000円 | 22,000〜25,000円 |
1LDK・2DK | 40,000〜45,000円 | 28,000〜31,000円 |
2LDK・3DK | 50,000〜53,000円 | 39,000〜42,000円 |
3LDK・4DK | 60,000〜65,000円 | 42,000〜45,000円 |
4LDK・5DK | 65,000円〜 | 46,000円〜 |
場所別で見るハウスクリーニングの費用相場
続いて、清掃場所それぞれの相場をみていきます。汚れがひどく特殊な清掃が必要な場合や、最新システムを導入していて特別な対応が必要な場合は、相場よりも高い料金になる可能性もあるため注意しましょう。
場所 | 相場 |
---|---|
キッチン | 12,000〜25,000円 |
レンジフード・換気扇 | 7,000〜18,000円 |
浴室 | 12,000〜18,000円 |
トイレ | 6,000〜9,000円 |
洗面所 | 8,000〜10,000円 |
エアコン | 8,000〜15,000円 |
床(ワックス掛け含む) | 8,500〜15,000円(6畳あたり) |
ここからは各場所の清掃内容や特徴をご説明していきます。
キッチン
キッチンでは、油汚れのたまりやすいコンロ周りや水垢が気になるシンク、壁、食器棚などを中心に清掃します。とくに掃除の手間がかかる魚用グリルや、生ゴミディスポーザーなどの手入れをしてもらえるのも嬉しいポイントです。自分ではなかなか落とせない頑固な汚れもキレイになるので、業者ならではの効果を実感できるでしょう。
また、業者によっては除菌処理も行なっており、清掃後は長期間衛生的な状態を保てます。定期的に行えば、自分で清掃するよりも清潔なキッチンを維持できるでしょう。さらに、オプションで排水管や食洗機などの清掃までカバーする業者もいるため、料金に余裕がある場合は依頼してみるのもおすすめです。
レンジフード・換気扇
油やほこりが固まって付着しているレンジフードと換気扇は、自分で清掃するのが難しい場所の一つです。そこで、ハウスクリーニング業者に依頼すれば、レンジフードと換気扇の外側のみならず、内側の細かい部分に至るまでキレイに清掃します。各パーツを取り外して分解し、専用の機械や洗剤で徹底的に洗うため、自分では手の届かない奥の部分も清潔にできるのが魅力です。
ただし、換気扇清掃の多くはプロペラ式を想定しているため、最新式や特殊な構造の換気扇を依頼する場合は相場以上の料金が必要になる可能性もあります。一般的なモデルとは異なる換気扇の清掃を依頼する場合は、事前に伝えて料金を確認しておきましょう。
浴室
浴室クリーニングはカビや水垢、ぬめり、皮脂汚れなど、自分だけでは対処できない頑固な汚れを特殊な洗剤や機械を使用して清掃します。浴槽から壁や天井だけでなく、窓や鏡といったすべてを清潔に仕上げてくれる点が魅力です。
とくに鏡は、清掃後にコーティングを施してくれる業者もあるため、曇りやウロコ汚れが付着しにくくなり、使いやすく手入れも簡単になります。
また、業者によってはオプションで防カビ加工も実施しています。防カビ加工を依頼すればこまめなカビ取りをする手間がなくなるため、簡単な掃除で浴室を清潔に保てるでしょう。普段の浴室掃除を手軽に済ませたい人におすすめです。
トイレ
イヤな臭いの原因となる汚れや黒ずみ、尿石など、自分で清掃しても落とせないようなトイレの汚れもキレイに解消します。尿や排泄物の飛び跳ねで気付かないうちに汚れてしまった壁も清掃してくれるため、トイレ全体のくすみや雑菌臭も残りません。加えて、天井や照明、換気扇の清掃もカバーしてくれますので、入り組んだ空間特有の埃っぽさも改善されます。
また、業者によっては汚れ防止コート加工やトイレタンク内除菌といったオプションを用意している場合もあるでしょう。こうしたオプションをうまく利用すれば、汚れが付きにくくなりトイレの内部も清潔さを保てます。
洗面所
洗面所のハウスクリーニングでは、洗面ボウルや鏡、キャビネット、壁など、水垢が付きやすく清掃に手間がかかる部分もしっかりと洗浄します。水垢以外にも化粧品の汚れや石鹸カス、排水口に詰まった髪の毛など、自分では触りたくないような部分までもキレイにしてもらえる点が魅力です。
またオプションで、汚れの付着や染み込みを防ぐ壁の撥水加工や防汚加工を行なっている業者もあります。清掃後も清潔な状態を長く保ちたい場合には、こうした有料オプションを上手に利用していきましょう。
エアコン
なかなか自力では清掃できないエアコンは、プロの手を借りて清潔さを保ちましょう。
エアコンのハウスクリーニングでは、専用機材や洗剤を用いて分解洗浄してくれます。分解したパーツやフィルターなどを一つひとつキレイにするため、気になっていた埃っぽい臭いやカビ臭が改善されるでしょう。加えて、冷暖房の効きが良くなり、電気代の節約にも繋がる可能性があります。
ただし、エアコンの清掃はリビングの中心で行われるケースも多く、ほかの家具や壁を傷つけないように大掛かりな養生が必要な場合もあります。トラブルにならないためにも家具や家電、床、壁などをしっかりとカバーしてくれる業者を選びましょう。
また、エアコンのハウスクリーニングで注意していただきたいのは、分解に手間がかかるようなエアコンの場合は依頼を断られてしまうケースもあることです。そのほか、極端に古いタイプや特殊な形状を採用しているエアコンの清掃を依頼する場合は、見積もりの際に相談して掃除を依頼できるかどうか確認しておきましょう。
床(ワックス掛け含む)
ワックス掛けまで行ってくれる床のクリーニング。素人が清掃するには難しい皮脂汚れやカビなどをしっかり落とし、見栄えも足触りも抜群に仕上がります。
業者によっては、滑り止めや防菌加工のオプションを展開していることもあるでしょう。とくにペットや幼い子どもがいる家庭では、安全性の高い滑り止め加工が重宝されています。
ただし、床の清掃は、床材の種類によっても相場が大きく変動します。一般的なフローリングや化学床材であれば、ご紹介した相場を大きく超えることはないでしょう。しかし、カーペットや無垢材を使用した床は割高になる可能性もあるため注意が必要です。
そもそもハウスクリーニングってどんなときにお願いするの?
ハウスクリーニングは一般的に、賃貸物件を所有する大家が部屋を貸し出す前に清掃を依頼したり、今まで住んでいた住宅を引っ越す、または売却する際に依頼したりすることがほとんどです。
また、掃除する時間のない多忙な人や、清掃する体力のない年配者などが利用するケースも多くあります。プロに定期的に清掃してもらうことで、きれいな状態に保たれた住宅に住み続けられるのが魅力です。さらに、自力では対処できない汚れに困っている箇所や、放置していた物置などの清掃を依頼する人も少なくありません。
ハウスクリーニングの費用が相場よりも高くなるケースとは?
ハウスクリーニングの相場は、一般的に想定される状態や間取りをもとに算出されたもの。そのため、これまでにもお伝えしたように、状況によっては相場以上の料金が必要になることも考えられます。
ここからは、そんな割高料金が必要になるケースをご紹介します。ハウスクリーニングの依頼を考えている人は、依頼場所の状態と照らし合わせてチェックしてみてください。
ひどく汚れている場合
汚れが想定以上にひどかったり、広範囲にわたっていたりする場合は、相場以上の料金が必要になる可能性が高いでしょう。さらに、普段は使用しないような特別な清掃器具や洗剤を使用する必要があれば、通常の費用に加えて別途料金がかかります。
また、汚れや劣化の対応範囲は業者によって異なるため、依頼の際にはあらかじめ汚れ具合を伝えて別途料金が必要になるかどうかを確認しておくと安心です。
荷物や家具が多い場合
清掃するときに移動しなければならない荷物や家具が多い場合も、別途料金が発生する可能性があります。清掃前の手間が多いほど、通常料金以外の支払いが増えるため要注意です。加えて、値段の高い家電や大型ソファなどを移動する場合も、別料金がかかるケースがあるでしょう。
クリーニング前にどうしても自力で荷物や家具を運べないときには、依頼時に荷物の多さを伝えて追加料金を見積もってもらいましょう。
一戸建ての場合
マンションやアパートと比べると、一戸建てのほうが料金が高い傾向にあります。これは、マンションやアパートといった集合住宅よりも清掃面積が広いからです。さらに、階段や廊下などの入り組んだスペースの清掃が追加になるケースもあり、必要な作業や人員も増えてしまいます。
狭めでシンプルな間取りの一戸建ての場合は安く収まるケースもありますが、それでも作業量は確実に多くなるため、マンションやアパートの相場よりも料金がかかると認識しておきましょう。
駐車場がない場合
ハウスクリーニング業者の車を停める駐車スペースがない場合、近場にある有料の公共駐車場を利用するため、追加料金がかかる可能性があります。清掃機材や洗剤などを持参するハウスクリーニング業者は車で訪問することから、駐車場は必須なのです。
地域によっては、たった1〜2時間でも極端に駐車料金が高くなる駐車場もあるため、ハウスクリーニングを依頼するときは追加される駐車場代も考えておきましょう。
「駐車場はないけど清掃の料金をできるだけ抑えたい」といった場合には、あらかじめ住宅の近場で安い駐車場を探すか、近所の人に事情を話して車を停められる場所を確保しておくとよいでしょう。
ハウスクリーニングの費用を安くする5つの方法
ここからは、ハウスクリーニングの料金を安く抑える方法をご紹介していきます。依頼するタイミングや簡単な工夫で料金を大幅に抑えることも可能ですので、ハウスクリーニングの依頼を考えている人はぜひチェックしてみてください。
方法①:閑散期に依頼する
ハウスクリーニングには繁忙期と閑散期があり、依頼の少ない閑散期は料金が比較的安くなっていることも。エアコン清掃のシーズンが終了した9月から10月、大掃除シーズンが終了した1月から2月に訪れる閑散期が狙い目です。
さらに、閑散期は予約が取りやすく、スケジュールの自由度が高いのも魅力。繁忙期と異なり、自分のタイミングで清掃を依頼できます。清掃スタッフ側も余裕のある時期なので、清掃に関する質問もしやすいでしょう。
方法②:自分で掃除できる部分は自分でやる
清掃を依頼する前に、自分でできる範囲で掃除をしておくのもおすすめです。スタッフの作業量や手間が少なくなれば、その分料金も抑えられます。依頼前は普段よりも念入りに掃除をして、できるだけ汚れを落としておきましょう。清掃で依頼したい部分を「自力でキレイにできない部分」だけに絞れば総額も安くなります。
方法③:複数箇所のクリーニングをまとめて依頼する
業者が用意している「水回りパック」や「住宅全体のパック」といったパック料金を利用して複数箇所をまとめて依頼すれば、各箇所を単体で依頼するよりも料金が抑えられます。
まとめたプランがない業者に関しても、複数箇所を依頼すれば値引き交渉をしやすくなります。ただし、「お風呂だけお願いしたいんだけど、水回りパックのほうがお得な気がする」と考えて依頼するはずではなかった箇所もクリーニングしてしまえば、予定外の出費がかさみますので注意しましょう。
方法④:引っ越すときは荷物をまとめてから依頼する
引っ越し時のハウスクリーニングは、可能な限り荷物をまとめてから依頼するのがおすすめです。清掃時にスタッフが家財道具を移動する手間が省けるうえに、空室に近い状態であれば養生作業も不要なため、料金が抑えられます。
また、賃貸の場合は、大家がハウスクリーニング費用を負担するケースが一般的。借主がハウスクリーニングを依頼する必要はありません。しかし、まれに大家からハウスクリーニング料金を請求されることもあるため、契約時にしっかり確認しておきましょう。
方法⑤:相見積もりで費用や内容を比較検討する
ハウスクリーニングを依頼する際は、複数の業者に見積もりを依頼して費用を検討しましょう。業者によってはサービスが充実しており、同じ価格でもお得な場合があります。また、割安なパックプランや値引き条件を提示している業者も多いため、1つの業者だけではなく、複数の業者の費用や内容をチェックするのが大切です。
失敗しないハウスクリーニング業者の選び方
最後に、優良なハウスクリーニング業者の選び方をご紹介します。
選び方①:実績やサービス内容をしっかり確認する
ハウスクリーニング業者を選ぶ際にまず確認すべきなのは「実績」です。公式ホームページに対応件数やこれまで対応したことのある箇所などが記載されているため、しっかりと確認しておきましょう。
また、実績と合わせてサービス内容の確認も大切です。価格が安くても作業の多くがオプションになってしまっている業者や、作業の内訳が明確に記載されていない業者は、総合金額が割高になる可能性があります。総額がわかりにくい場合は、見積もりを依頼して具体的なサービス内容と料金を確認しましょう。
選び方②:損害賠償の保険に加入している業者を選ぶ
万が一のアクシデントを想定して、損害賠償の保険に加入している業者を選びましょう。
ハウスクリーニングは万全の体制でプロによる作業が行われますが、持参した清掃器具で壁や床を傷つけてしまったり、強力な洗剤で塗装を剥がしてしまったりといったトラブルが起こる可能性も考えられます。
こうした場合に、損害賠償保険に加入している業者を選んでおけば、修理代金を保証してもらえるでしょう。
選び方③:口コミや評判をチェックする
口コミや評判をチェックするのも、ハウスクリーニング業者を選ぶうえで大切な下準備です。公式ホームページだけではなくSNSや口コミサイトなどで評判を確認すると、業者の雰囲気や信頼性を確かめられるでしょう。
とくに、業者の特徴をしっかり記載した体験記事や画像付きの口コミなどは、業者の対応がわかりやすいためチェックしてみてください。加えて口コミや評判の数が多いと、それだけ実績があると判断できますので安心です。
ハウスクリーニングで気持ちよい生活を!
清掃をプロに依頼するハウスクリーニングは、自分に適した予算と頻度で利用すれば住宅を美しく清潔に保てる便利なサービスです。依頼のタイミングやプランの選択によっては、お得な価格でサービスを利用できるケースも少なくありません。ハウスクリーニングの依頼を検討している方は、ぜひ本記事の選び方や料金の抑え方などを参考にしてみてください。