「引っ越しが決まったけど、今のエアコンは持っていくべき?」「エアコンの移設はどこに依頼したらいいの?」などと悩んでいる人も多いでしょう。
エアコンの移設は引っ越し業者やエアコン専門業者で依頼できますが、場合によっては新しいエアコンに買い換えたほうがいいケースも考えられます。
本記事では、引っ越し時のエアコン移設についてご紹介します。引っ越し業者やエアコン専門業者に依頼するときの費用や、エアコンを買い換える適切なタイミングなどもご説明しますのでぜひ参考にしてください。
引っ越しをするときってエアコンはどうしたらいいの?
引っ越しをするときのエアコンの取り扱い方法は大きく分けて、下記の3パターンがあります。
- 引っ越し業者にそのままエアコンの移設を依頼する
- 引っ越し業者とは別で、エアコン専門業者にエアコンの移設を依頼する
- 既存のエアコンを処分して新しいものを購入する
はじめに「既存のエアコンを新居に取り付けるのか」、「買い換えるのか」を考えなければなりません。
さらに既存のエアコンを新居に取り付ける場合は、「引っ越し業者」か「エアコン専門業者」に依頼します。
エアコンの移設は知識のない人が行うと故障や事故の原因になるため、自分で移設するのはおすすめできません。またエアコンを取り外すときには、中に溜まっているフロンガスを大気中に漏らさないようにしなければならないことからも、業者に依頼したほうが安心です。
ここからは、3つある選択肢のそれぞれのメリット・デメリットをご紹介していきます。
引っ越し業者にそのまま依頼するメリット・デメリット
まずは引っ越し業者にそのままエアコンの移設を依頼するメリットとデメリットをみていきましょう。
引っ越し業者にそのままエアコンの移設を依頼すれば、自分自身でエアコン専門業者を探す必要はありません。引っ越し業者にエアコンの移設を相談するだけなので簡単に手続きができます。
また取り外したエアコンを新居まで運搬してくれたり、当日のうちに取り付け工事を行ってくれたりと効率よく移設ができるでしょう。
ただし引っ越し業者がエアコンの移設を行うわけではありません。引っ越し業者は顧客からエアコン移設の依頼を受けたら、エアコン専門業者などの下請けに依頼します。このため中間マージンが発生し、料金が少し高くなる点はデメリットです。
加えて中間業者を挟むことで、追加料金が発生したり顧客の要望が現場で作業する業者に伝わっていなかったりと思わぬトラブルが起こる可能性もあるでしょう。
エアコン専門業者に別で依頼するメリット・デメリット
次に引っ越し業者とは別に、自分でエアコン専門業者に依頼するメリットとデメリットをご紹介します。
エアコン専門業者に直接依頼すれば、中間マージンを省けるため費用を抑えられます。さらにエアコンに精通している作業員と話しながら見積もりや相談が可能です。同時にエアコン修理やクリーニングも依頼できます。
ただし引っ越し業者とは別に、自分自身でエアコン専門業者を探さなければなりません。また取り外したエアコンの運搬はサービス外としている業者も多いため、自分で運搬するか、もしくは引っ越し業者に運搬だけ依頼するかを検討しておく必要があるでしょう。
引っ越し当日に合わせた工事が難しい点もデメリットです。そのため引っ越しから数日間はエアコンが使えない可能性があることも覚えておきましょう。
エアコンを買い換えるメリット・デメリット
続いて、エアコンを買い換えるメリットとデメリットをみていきましょう。
エアコンを買い換える場合、最新の省エネ機能がついているエアコンを選べば電気代を大幅に削減できます。古いエアコンを使用していたご家庭では、エアコンの買い換えによって年間の電気代が数千〜数万円程度安くなったケースも珍しくありません。
ただし新しいエアコンは購入費用が高いところが難点です。たとえばリビングに設置するような広い範囲をカバーしてくれるエアコンの場合、10万〜20万円が価格相場といえるでしょう。
また新しくエアコンを購入したら、新居に取り付けてもらう工事を依頼しなければなりません。この場合エアコンを購入したお店でそのまま取り付け工事を依頼するか、自分でエアコン専門業者を探すかの2択があります。
どちらにしても、購入費用とは別に工事費がかかるため注意しましょう。
引っ越しするときのエアコン移設の費用相場
ここからは、エアコン移設や買い替えにかかる費用相場をご紹介していきます。ご自身の予算と照らし合わせながら確認してみてください。
引っ越し業者に依頼する場合
引っ越し業者にエアコン移設を依頼する場合、運搬費込みで1台あたり約15,000〜20,000円が費用相場といわれています。ただしこれは標準工事のみの金額です。
たとえば新居の状況によっては配管パイプを延長させる必要があります。配管パイプの延長は、1mあたり2,000〜3,000円が相場です。また2階にエアコンを設置するときには、室外機を吊り下げたり屋根に置いたりすることもあり、こうした場合にも追加料金が発生します。
見積もりを取らずに工事を依頼してしまうと、想像以上に高い費用がかかってしまう可能性もあるため注意しましょう。
エアコン専門業者に依頼する場合
エアコン専門業者に移設を依頼する場合の費用相場は、8,000〜13,000円程度です。前述のとおりエアコン専門業者に依頼すれば、直接契約になるためコストを安く抑えられます。
ただし引っ越し業者に依頼するときと同じく、新居の状況によっては追加料金が発生する可能性もあることを覚えておきましょう。
オプションなどを考えずに業者を決めてしまうと、結果的に高い費用がかかってしまったというケースも少なくありません。必ず見積もりをとってもらい比較検討してください。
エアコンを買い換える場合
エアコンの価格相場は、設置する部屋の畳数によって大きく異なります。下記の相場表をもとに価格をチェックしてみましょう。
部屋の畳数 | エアコンの価格相場 |
6畳 | 3万〜6万円 |
8畳 | 5万〜7万円 |
10畳 | 5万〜10万円 |
12畳 | 6万〜12万円 |
14畳 | 7万〜12万円 |
16畳 | 9万〜16万円 |
18畳 | 10万〜16万円 |
20畳 | 17万〜23万円 |
23畳 | 18万〜26万円 |
26畳以上 | 27万〜35万円 |
またエアコンを買い換える場合、既存のエアコンは処分することになるでしょう。エアコンの処分には「家電リサイクル法」が適用されます。この法律により処分費用として「リサイクル料」と「収集運搬費」が発生することを覚えておきましょう。
処分費用ですがリサイクル料は900円程度、収集運搬費は1,000円程度の費用がかかります。この2つの費用を合わせた約1,900円がエアコンを処分する際にかかる費用です。
リサイクル料も収集運搬費も業者によって異なるため、依頼する際に必ず確認しておきましょう。
結局、引っ越し時のエアコン移設はどこに依頼すればいい?
これまでそれぞれの業者に依頼するメリット・デメリットや費用相場をご紹介しましたが、「じゃあ結局どこにエアコンの移設を依頼すればいいの?」と迷ってしまう人もいるでしょう。
そこで引っ越し業者に依頼したほうがいい人と、エアコン業者に依頼したほうがいい人の特徴をみていきましょう。
引っ越し業者に依頼したほうがいい人
次のように考えている人は、引っ越し業者にエアコンの移設を依頼しましょう。
- 複数の業者とやり取りするのはめんどくさいと感じる人
- エアコンを新居まで運搬してほしい人
- 真夏や真冬に引っ越しする人
- 他県に引っ越しする人
先にもご紹介したとおり引っ越し業者にエアコンの移設を依頼すれば、複数の業者とやり取りする必要はありません。引っ越し業者に「エアコンも新居に持っていきたい」と依頼するだけで簡単に手続きができます。
また真夏や真冬に引っ越しする人にもおすすめです。引っ越し日と工事日がズレるとエアコンを使えない期間が発生してしまうので、真夏や真冬の引っ越しでは辛い思いをすることになってしまうからです。
引っ越し業者にまとめて依頼すれば提携業者が対応するため、引っ越し日に合わせてエアコン工事を行ってくれます。
このような点から、上記のような人は「引っ越し業者」に依頼するとよいでしょう。
エアコン専門業者に依頼したほうがいい人
下記のような人は「エアコン専門業者」に移設を依頼しましょう。
- 少しでも費用を安く抑えたい人
- 専門スキルをもったプロと相談しながら工事を決めたい人
- 移設と一緒にエアコンの修理やクリーニングを依頼したい人
前述のとおり、エアコン専門業者に直接依頼すれば中間マージンが発生しません。そのため引っ越し業者を通して依頼するよりも、費用が安くなります。
また専門スキルを持ったプロが現場を見ながら見積もりし、顧客のこだわりや要望に耳を傾けてくれる点も大きな魅力です。
加えてエアコンの移設の際に、修理やクリーニングの依頼も考えている場合には同時に相談できます。
とくにエアコンクリーニングはエアコンを取り外して分解洗浄を行うので、移設の際にクリーニングを依頼すれば、業者によっては割引してくれるところも少なくありません。
エアコンは定期的にクリーニングしなければ、効き目が弱まり電気代が余計にかかってしまいます。引っ越しを機にクリーニングの依頼も検討してみましょう。
エアコンの引っ越しと買い替えを見極める3つのポイント
ここでエアコンの買い替え時期を見極めるポイントを3つご紹介しましょう。「エアコンの移設」と「買い替え」で悩んでいる人は参考にしてください。
ポイント1:エアコンの寿命を迎えている
エアコンの寿命は約10年といわれています。寿命を迎えているエアコンを移設しても、引っ越し後すぐに壊れてしまう可能性が高いでしょう。
また7〜8年使っているエアコンの場合、まだ寿命ではないからといって移設しても、引っ越してから2〜3年で故障してしまいます。
移設する際には少なくとも10,000〜20,000円程度の工事費用がかかってしまうため、引っ越してからすぐに故障してしまうのはもったいないですよね。そのためエアコンの寿命を迎えている、もしくは7〜8年使用している場合には買い替えを検討してみましょう。
ポイント2:エアコンが故障している
既存のエアコンが故障している場合には、買い替えたほうがよいでしょう。エアコンの故障とは具体的に次のような症状が挙げられます。
- 冷風や温風が出てこない
- 電源がつかない
- エアコンから大きな音が聞こえる
- 操作していなくても勝手に止まってしまう など
先にも述べたとおり、エアコンが故障していたり古くなっていたりすると電気代がかさみます。引っ越しを機に買い替えを考えてみてください。
ポイント3:引っ越しにともない対応畳数が合わなくなる
引っ越しにともない既存のエアコンの対応畳数が合わなくなる場合にも、買い替えを検討したほうがよいでしょう。
たとえば10畳用のエアコンを使っていたけれど、引っ越し先の部屋は20畳あると仮定します。この場合、10畳用のエアコンでもフル稼働すれば部屋の温度を適度に保てるかもしれません。
しかしそれでは常にフルパワーで稼働しているため、消費電力が増えて電気代も上がります。また酷使することでエアコンの寿命を縮めてしまう可能性もあるため、適した対応畳数のエアコンに買い換えることをおすすめします。
【Q&A】引っ越しのときのエアコンに関するよくある質問
最後に引っ越しのときによくある、エアコンに関する質問とその回答をご紹介しましょう。
エアコンってどうやって処分するの?
エアコンを買い換える場合、既存のエアコンは処分します。エアコンの処分方法はおもに4つあります。
- 家電量販店に引き取り処分を依頼する
- 住んでいる自治体に引き取り依頼する
- 指定されている処分場所に自分で持っていく
- 不用品回収業者に引き取り処分を依頼する
一番簡単なのは、新しいエアコンを購入した家電量販店に引き取り処分を依頼する方法です。依頼する流れは下記をご参考ください。
【家電量販店にエアコンの引き取り依頼をする手順】
家電リサイクル券は、適切な方法で家電をリサイクルしたことを証明するための大切な書類です。紛失しないように保管しておきましょう。また引き取り処分費用を支払うタイミングはお店によって異なるため、カウンターで引き取り依頼をした際に確認しておくことをおすすめします。
また、今住んでいる住所を管轄する自治体に依頼することも可能です。自治体に依頼するときの手順は下記のとおりです。
【自治体にエアコンの引き取り依頼をする手順】
ほかにも自分自身でエアコンを回収場所まで持ち込む方法や、不用品回収業者を利用する方法もあります。ただし悪徳な不用品回収業者も少なくないため、業者選びは慎重に行いましょう。
賃貸の場合、入居時に取り付けたエアコンはどうしたらいい?
賃貸に入居するときにエアコンがついておらず、自分でエアコンを購入して取り付けた場合には、引っ越し時にはエアコンの移設か処分を行う必要があります。
賃貸物件には、物件の管理者と入居者の双方に「原状回復義務」が発生しています。これは新しい入居者を受け入れるために、はじめと同じ状況に戻して退去する義務のことです。
原状回復義務がある以上、自分で取り付けたエアコンは撤去するのが基本です。ただし管理会社との話し合いの結果、エアコンを残したまま引っ越してよいことになれば撤去する必要はありません。
残しておけるのなら撤去費用を支払わなくて済むため、引っ越しが決まったら管理会社にエアコンの撤去が必要かどうかを確認しておきましょう。
引っ越し時のエアコン移設について早めに考えておこう!
引っ越しが決まったら、まずエアコンを「移設する」のか「買い換える」のかを決めましょう。もしも移設する場合には、「引っ越し業者にそのまま依頼する」もしくは「引っ越し業者とは別でエアコン専門業者に依頼する」のどちらかを選びます。
引っ越しをするときには、エアコンのほかにもやらなければならないことがたくさんあります。ご家庭の状況を考えたうえで早めに行動していきましょう。