家事代行サービスとは、掃除や洗濯、料理などの家事を業者に代行してもらえるサービスのことです。とても便利なサービスですが、スタッフを自宅にあげて作業をしてもらうため、場合によってはトラブルが発生するリスクがあります。
そこで今回は、家事代行サービスを利用するときに発生しやすいトラブルについて紹介します。
それぞれのトラブルを防止する方法やトラブルが起きたときの対象方法も併せてチェックしていきましょう。
- 家事代行サービスの利用を考えている人
- 家事代行業者とのトラブルが気になる人
- 家事代行サービスのトラブルを防止する方法が知りたい人
家事代行サービスでよくあるトラブルは7つ
それでは、早速、家事代行サービスを利用するときによくあるトラブルを紹介します。今回は、次の7つのトラブルを見ていきましょう。
- 料金関係のトラブル
- 家具・物品の破損トラブル
- 物品の紛失トラブル
- 貴重品の盗難トラブル
- 作業内容関係のトラブル
- 担当者の欠勤・遅刻のトラブル
- 担当者との関係性トラブル
日経DUALの調査によると、家事代行サービスを利用した人の52.8%が何らかの不満を感じたことがあることが分かっています。
どのような点に不満を感じたり、トラブルになったりするのか順番に目を通していきましょう。
料金関係のトラブル
家事代行業者を利用する上で一番注意したいのが料金関係のトラブルです。
家事代行サービスの料金プランは業者によって異なっています。また、同じ業者でも利用するプランや利用日・時間、利用頻度などの条件によって、料金が違ってくることも多いです。さらに、利用者のライフプランに合わせてオーダーメイドのサービスを展開している家事代行業者では、そもそも具体的な料金がホームページに記載されていないこともあります。
こうした状況から家事代行業者の利用者からすると、「家事代行業者の料金プランは分かりづらい」となることが多いです。自分で理解していた料金と家事代行業者から提示された料金との間に大きな差額があるケースも珍しくありません。
そのため、家事代行業者と契約する前に、料金の内訳や発生理由などをきちんと知っておくことが大切です。トラブルを未然に防止するためにも次のようなポイントは、最低限チェックするようにしておきましょう。
- 1時間あたりの料金
- 最低利用時間
- 作業スタッフの交通費
- 作業スタッフの指名料金
- 鍵預かり料金
- キャンセル料金
- 消費税を含めた総支払額
契約時に少しでも理解できない料金があるなら、家事代行業者の担当者にその場で確認することをおすすめします。
家具・物品の破損トラブル
家事代行サービスを利用するためには、作業スタッフを自宅にあげる必要があります。そのため、スタッフがどれだけ注意していても、家電や家具、食器などを破損してしまう場合もあるのです。
家事代行業者のほとんどは、万が一の破損トラブルに対応するために損害賠償保険に加入しています。しかし、壊れた家具や物品などを修理・再購入できるお金があっても、破損したもの自体が手に入る保証はありません。
こうしたリスクを十分に理解した上で、家事代行業者のサービスを利用する必要があると言えるでしょう。
物品の紛失トラブル
家事代行業者のスタッフが部屋の掃除をすることで、部屋の中に置いてあったものの位置がわからなくなることがあります。作業スタッフが自宅にいるときに物品を紛失したことに気付ければいいですが、いなければ自分で探すことになるので時間がかかります。
また、本来必要なものでも、作業スタッフが誤ってゴミに出してしまう可能性もぬぐえません。
小さな物品や片付け場所が決まっていないものの管理は、特に注意が必要です。
貴重品の盗難トラブル
考えたくはありませんが、他人を自宅にあげる以上、貴重品が盗難されるリスクがあります。特に、家事代行サービスは利用者が不在のときでも、作業にあたってもらえるので注意が必要です。
ただし、このトラブルは利用者が事前に注意をすることでリスクを最小限に抑えられます。
具体的な方法については、後ほど詳しく紹介するので併せてチェックすることをおすすめします。
作業内容関係のトラブル
先に少し触れた、日経DUALの調査によると家事代行業者に対する不満の中で一番多かったのが「スタッフが依頼内容を十分にこなしてくれない(55.4%)」という意見でした。
作業内容関係のトラブルが発生する原因としては、作業スタッフが依頼内容を理解していないことや作業時間が足りなかったことが挙げられます。また、作業スタッフに家事の優先順位を伝え忘れたり、コミュニケーションをうまく取れなかったりして、作業内容に不満を持つケースが多くなっています。
担当者の欠勤・遅刻のトラブル
良質な家事代行業者を選んでいても、担当者が無断で欠勤をしたり、遅刻をしたりする場合があります。こうしたトラブルが発生すると、家事代行業者に依頼した意味がなくなってしまいます。担当者との人間関係が悪化することで、家事代行業者への不信感がつのる可能性もあるでしょう。
担当者の欠勤・遅刻のトラブル
家事代行サービスのスタッフと性格が合わない場合もあります。家事代行業者のスタッフと人間的に合わないと、作業内容を1つ伝えるだけでも大きなストレスを感じてしまう可能性があります。
せっかく家事代行業者と契約をしても、依頼自体が面倒になる可能性があるでしょう。
家事代行業者とのトラブルを防止する方法
家事代行業者に家事を依頼すれば、時間を有効に活用できたり、心身の疲れを癒したりなどのメリットがあります。つまり、家事代行サービスは、トラブルが起きるリスクを最小限に抑えられればとても便利なサービスです。
そこでこの章では、家事代行サービスの利用中にトラブルを防止するための具体的な方法を紹介します。 今回は、次の10個の防止方法をチェックしていきましょう。
- まずはトライアルプランを利用する
- 打ち合わせできちんと要望を伝える
- 訪問見積もりのときにありのままの現状を見せる
- 契約をする前に料金プランをよく確認する
- 損害賠償保険の有無や範囲をチェックする
- スタッフの採用・教育方法について聞いておく
- 貴重品は別で保管する
- スタッフに作業中の注意事項を話しておく
- サービスを受ける前の状態を写真に撮っておく
- できるなら作業場所にカメラを設置する
それでは順番に、家事代行サービスのトラブルを未然に防止する10個の方法をチェックしていきましょう。
まずはトライアルプランで家事代行を利用する
家事代行業者の多くで定期プランだけでなく、トライアルプランが用意されています。スタッフの作業の質や予約の流れなどをチェックしたいなら、トライアルプランから利用することをおすすめします。
家事代行業者の選定を急いでいないなら、複数社のトライアルプランを試してみるのもいいでしょう。 自分にどのような家事代行サービスが必要なのか考えながら利用すると、適切な利用頻度やプランが見えてくるでしょう。
それなりの時間はかかりますが、自分のライフプランや意向にあった家事代行業者の見極めができるのでおすすめです。
打ち合わせできちんと要望を伝える
家事代行サービスを契約する前には、 打ち合わせが行われることがほとんどです。このとき、契約書の内容を確認するだけでなく、きちんと自分の要望を担当者に伝えることが大切です。
例えば、利用時間が2時間なら、その時間中にどのような順番で家事をこなして欲しいのか、毎回違う家事をお願いしたいのかなどできるだけ具体的に伝えるといいでしょう。
打ち合わせて伝えた要望がスタッフの作業に反映されていなければ、家事代行業者にもう一度念押しができます。後々のトラブル防止と自分自身の満足度の向上のために、どのような家事代行を行なって欲しいのか、一度具体的に想像してみることをおすすめします。
家事代行業者のスタッフが作業しやすいように、具体的な作業内容をピックアップしてメモしておくのも1つの方法です。
訪問見積もりのときにありのままの現状を見せる
多くの家事代行業者では、実際にスタッフが家事を代行する前に営業担当が自宅を訪問して見積もりを出してくれます。このとき、「他人が自宅に上がるから」といつもより部屋をきれいにする人がいますが、家事代行業者の見積もり訪問時は注意が必要です。なぜなら、 通常の状態が分からなければ、正確な見積もりを出せないからです。
いつも部屋が綺麗だと、営業担当が実際の作業量に合わないプランを提案する可能性があります。「できるだけ安いプランを利用したい」という気持ちはわかります。しかし、実際に家事代行サービスの利用を開始して、作業時間が延びてしまえばかえって料金が高くなるかもしれないので注意が必要です。
したがって、家事代行業者の訪問見積もりのときは、普段通りの部屋で営業マンを迎えるようにしましょう。
家事代行業者の営業マンは、汚れた部屋や散らかった部屋に慣れているのでそこまで気にする必要はありません。
契約をする前に料金プランをよく確認する
家事代行業者と契約する前には、料金プランの内訳や内容によく目を通しましょう。
例えば、家事代行業者のサービス規約や見積もり書、契約書などの書類で理解できないことが1つでもあるなら、その場で担当者に質問することをおすすめします。一度契約をしてしまうと、「書面の内容をチェックした上で同意をした」ということになるので、契約前に内容をしっかり確認することが大切です。
特に、延長料金や追加料金の発生条件に関することは、きちんと確認しておきましょう。
どのような場合に料金が発生するのか知っているだけで、家事代行業者とのトラブルを未然に防止できます。
損害賠償保険の有無や範囲をチェックする
家事代行業者の多くが、もしものときに備えて損害賠償保険に加入しています。しかし、個人営業などの小さな家事代行業者だと、損害賠償保険に未加入の場合もあるので事前に確認しておくことをおすすめします。
また、損害賠償保険の有無だけでなく、具体的な範囲や金額も併せて確認することも大切です。
損害賠償保険については、家事代行業者のホームページや契約書に記載されていることが多いです。詳細な内容について確認する必要があるので、家事代行業者と契約するときにきちんと損害賠償保険の取扱いについて担当者に聞くようにしましょう。
スタッフの採用・教育方法について聞いておく
どれだけ良質な家事代行業者であっても、実際に自宅で作業するのはスタッフです。そのため、家事代行業者を選ぶときは、スタッフの採用方法や教育方法について確認することもポイントです。
人手不足で悩んでいる家事代行業者の中には、スタッフの研修をろくにせずに現場に出しているケールもあります。こうした会社に家事代行サービスを依頼すると、物損や盗難などのトラブルが発生する危険性が高いので注意が必要です。
家事代行業者のコールセンタースタッフや営業マンも、作業スタッフの採用方法や教育方法についての質問をよく受けるので、利用者の問い合わせに対してきちんと回答してくれるため心配する必要はありません。
貴重品は別で保管する
家事代行サービスを利用する場合は、財布や貯金箱、通帳、ハンコなどの貴重品をきちんと管理するようにしましょう。
例えば、貴重品をまとめて一つの部屋で保管して、家事代行業者のスタッフにその部屋に入らないように伝えておく方法があります。また、簡易的な金庫を購入してその中に貴重品を保管するのもいいでしょう。
利用者の不在時でも家事をお願いできるのが家事代行サービスも魅力ですが、リスクを最小限に抑えるために依頼を在宅時だけにするのも1つの方法です。
家事代行スタッフに作業中の注意事項を話しておく
家事代行業者のスタッフに、注意してほしいポイントを事前に伝えておくことも重要です。
例えば、入って欲しくない部屋を教えたり、絶対に破損したくない家具や物品を伝えたりしているだけでも、トラブルが発生するリスクを抑えられます。
食べ物のアレルギーや使用する備品などについても、伝えておくとストレスなく家事代行サービスを利用できます。
家事代行サービスを受ける前の状態を写真に撮っておく
家事代行サービスを依頼する前の部屋の状態をスマホなどで撮影しておくのも一つの方法です。もしも、作業スタッフが家具や物品を破損したり、きちんと作業していなかったりした場合に写真は証拠になります。家事代行業者にスタッフに関する相談するときも、自信を持って話ができるのでおすすめです。
ありのままの事実を正確に伝えられるメリットもあるので、時間に余裕があるときは写真を撮っておくといいでしょう。
できるなら作業場所にカメラを設置する
「家事代行サービスと言えど、不在時にスタッフを自宅に上げることに抵抗がある」という人は、作業場所にカメラを設置する方法があります。
ビルなどに設置されているきちんとした防犯カメラでなくても、簡易的なカメラで構いません。防犯意識の高まってきているため、スマホで簡単に操作できる家庭用の防犯カメラが増えてきています。 家電量販店やインターネット通販を少し探せば見つかるでしょう。
自宅に遠隔で操作できるカメラがあれば、子供やペットなどの様子もチェックできます。この機会に購入してみるのもいいかもしれません。
トラブルが発生した場合の対処方法
トラブルが発生しないように注意していても、問題が起きるケースもあります。万が一、家事代行業者とトラブルになった場合は、次の3つの対処を取って問題を解決しましょう。
- とりあえず家事代行業者に連絡する
- クーリングオフ制度について確認する
- 消費者生活センターに話をする
以上3つの対処方法について、もう少し詳しく解説していきます。
とりあえず家事代行業者に連絡する
家事代行業者が提示してきた料金に納得できない場合や作業スタッフとトラブルになった場合などは、まず家事代行サービスを依頼している業者に相談しましょう。
大手の家事代行業者の中には、お客様相談室を用意しているところもあります。自分で話をするのは難しい場合は電話ではなく、メールやフォームで伝えるなどするといいでしょう。スタッフの態度や作業などが悪い場合は、家事代行業者に相談することで担当者を変えてもらえる可能性があります。
家事代行業者の多くが、お客様とのトラブルを踏まえて今後のサービス向上に活かそうと考えています。
「家事代行業者に連絡してもどうせ変わらないだろう」と最初から諦めるのではなく、きちんとトラブルに関する正確な情報を伝えて話をしてみましょう。
クーリングオフ制度について確認する
家事代行サービス中には、クーリングオフ制度を利用できるものがあります。ただし、全ての家事代行サービスでクーリングオフ制度が適用されるわけではないので、注意が必要です。
クーリングオフ制度の適用可否については、家事代行業者との契約を締結した書面に記載されていることがほとんどです。
家事代行サービスに関するトラブルを業者に相談しても問題が解決しないなどの場合は、一度契約書の内容をチェックしてみることをおすすめします。
消費者生活センターに話をする
家事代行業者がトラブルにまったく対応してくれない場合は、消費者生活センターに相談しましょう。
消費者生活センターは全国各地に設置されている機関で、すでに家事代行サービスに関するトラブルの相談が寄せられています。そのため、よくあるトラブルなら、きちんとした対応方法を教えてもらえるでしょう。
問題が直接的な解決につながらなくても、消費者生活センターの相談員に話をすることで気分が晴れるケースも珍しくありません。
近隣の消費者生活センターの電話番号がわからない場合は、局番なしで「188」に電話をかけると相談窓口案内してもらえます。
また、最寄りの消費者生活センターに電話をかけてもつながらない場合は、「03-3446-1623(受付時間:平日10~12時、13~16時)」に連絡するとバックアップ相談をしてもらえるのでぜひ利用してみてください。
トラブルが起きづらい家事代行業者の選び方
家事代行業者の中には、トラブルが起きないように尽力している良質な会社があります。利用者が家事代行業者とトラブルが発生しないように注意することも大切ですが、問題が起きる可能性が少ない会社のサービスを選ぶことも大切です。
しかし、家事代行業者を始めて利用する場合は、どのような会社が信用できるか判断できないでしょう。
家事代行業者の選び方に困ったときは、下の記事に目を通すことをおすすめします。
そのような観点で家事代行業者を選べばいいか、具体的なポイントが記載されています。自分に合った家事代行業者を選ぶコツを掴めるでしょう。
関連:家事代行選び方
家事代行サービスを利用するメリット・デメリット
家事代行サービスはとても便利なサービスですが、メリットだけでなくデメリットも存在します。トラブルが起きる可能性はデメリットに挙げられますが、家事代行サービスを実際に利用する前に他にどのようなデメリットがあるのかを知っておくことが大切です。
次の2つの記事に目を通してみましょう。それぞれ、家事代行サービスを利用する前に知っておきたいメリットとデメリットが具体的に紹介されています。
コラム:【総まとめ】家事代行を利用するメリットとは?
コラム:家事代行サービスの利用前に7つのデメリットをチェックしよう!
信頼度が高いおすすめの家事代行業者3選
ロゴ | |||
---|---|---|---|
事業者名 | CaSy | タスカジ | キャットハンド |
最小料金/1h | 2,409円~ | 1,650円~ | 1,992円~ |
定期・スポット | スポットあり | スポットあり | スポットあり |
初回プラン | なし | なし | あり |
対応エリア | 関東/関西/宮城県/愛知県 ※一部エリア除く | 関東/関西 ※一部エリア除く | 一都三県 ※一部エリア除く |
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まとめ
家事代行サービスは自宅に他人をあげて作業してもらう必要があるため、場合によってはトラブルが発生する可能性があります。しかし、よくあるトラブルと対策方法を知っておけば、問題を未然に防止できます。
今回紹介した内容参考に、家事代行サービスのトラブルを防止して賢くサービスを活用してみてください。